2024年1月7日(日)15:00~17:00
こどもステーション主催、不登校・ひきこもりの親の会が企画した、武田さち子さんの講演会が終了しました。
定員70名のところ、会場いっぱいの63名の方々が、武田さんの話に耳を傾けました。
一般社団法人ここから未来を運営する武田さんから、学校で起こっている「いじめ」「指導死」「子どもの自死」のリアルなお話に、参加者が「大人の私にできることは何なのか」考える時間になりました。
2022年度の子どもの自死は、調査によって数値はまちまちですが、年間411人(文科省まとめ)の子どもたちが自死によって亡くなっています。
そして、10歳~39歳の死因のうち、自殺による死が死因の第1位となっている現実があります。
子どもの自死は、ゆとり政策が見直された時期から増え始め、そして現在も増加し続けています。
平成25年6月28日、いじめ防止対策推進法が公布されました。
この法律によって、いじめとは、「児童などに対して、当該児童などが在籍する学校に在籍しているなど当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
と明確に定義されました。
児童等が心身の苦痛を感じているものがいじめなので、どんな行為だったか、なぜされた・なぜしたかを問いません。
防止法では、いじめの禁止、学校及び教職員の責務、保護者の責務、いじめ早期発見のための基本的施策、対策組織についてなどが明記されています。
皆さんもぜひ一度、いじめ防止対策推進法を読んでください。
いじめは加害者の問題です。
しかし、いじめの加害者となる児童も、なにがしかのストレスを抱えていることも事実です。
途中、グループワークでは、「こどもの頃、これはちょっと辛かったな」ということを出し合い、そのとき親に話せたか、話せなかったらなぜ話せなかったか。話したらどうなったか?
を考えました。
各グループ和気あいあいと、こどもの頃の思いに心を馳せ、自分自身を振り返る時間になりました。
いじめられたことを親に話せた子は、どうやって話せたのか。
「親が気付いて、”何かあったの?”と聴いてくれた」という子がほとんどなのだそうです。
子どもの様子、子ども同士の関係性の不和に気づける大人が増えていくことを望みます。
そのためには、大人自身が、暴力について学び、暴力に気づく力をつけなければならないのでしょう。
こどもステーションでは、デートDV防止教育、DV啓発講座を 子どもたちにもおとなたちにも、届けていきたいと思いを強くしました。
社会の中から暴力が無くなり、子どもたちがいつも笑顔でいられるよう、これからも活動を続けてまいります。
ご参加いただいた皆さん、武田さち子さん、どうもありがとうございました。
不登校・ひきこもり講演会 というテーマで開催しましたが、今回の講演では、不登校・ひきこもりについての対応には触れられませんでした。
そこを求めてこられた方には大変申し訳ありません。
主催者の挨拶で申し上げましたが、学校で起こっているいじめや様々な圧力によって、子どもが学校に行けなくなります。
直接の被害者ではなくても、見ているだけでも辛く、学校に行けない・行かなくなることもあります。
しかし、学校に行けないこと・行かないことがもたらす心の傷が、ひきこもり状態につながる場合もあります。
自分の命を守る行動が、不登校です。
学校の中に暴力・抑圧が無ければ、不登校という状態が減っていくということを武田さち子さんは伝えたかったことと思いました。
(これは私の感想です)
奥野