デートDVは、交際中のカップルの間で、支配-被支配の関係によって起こる暴力です。
内閣府の調査によると交際相手からの暴力の被害経験は女性の約6人に1人です。(出典:令和2年度調査「男女間における暴力に関する調査報告書」)
身体的な暴力だけでなく、お金に関する暴力、性的な暴力、SNSを使った暴力、言葉や束縛による暴力などが、交際相手を支配する手段になっています。
大人からは、「別れたらいい」「恋人同士のケンカ」と軽く見られがちですが、被害者の傷つきは深く、その後の人生に大きな影響を与えます。
予防教育によって、未然に防ぐことができます。
子どもたちが近い将来に経験するかもしれない、いじめ、痴漢や盗撮などの性被害、体罰や虐待、セクハラやモラハラ、SNSを使った誹謗中傷や性的な搾取、そして、親のDVの目撃やデートDV。
これらはすべて“暴力”です。
暴力は、マンガやメディア、SNSの中にも潜んで、子どもたちの周りに当たり前のように存在しています。
しかし、殴る・蹴るといったわかりやすい暴力以外を“暴力”だと認識していない子どもはたくさんいます。
より早期から、発達段階に応じた『DV予防教育』が必要と考えられる
スマホやタブレットの普及により、SNSを媒体にして小学生をターゲットにした性暴力が増加しています。
小・中学生の妊娠や中絶も増えています。
子ども同士の交際も増えるなか、保護者の目の届かないネットの世界で“交際”している小中学生もいます。
加害者はグルーミングによって子どもたちを優しく手なずけ、信頼させた後に性的な要求をすることがあります。
すぐに気づき・相談できるように予防教育が必要です。
デートDV防止プログラムは、DV・デートDVを防止するにとどまらず、子どもたちに必要な人権教育、ジェンダー平等教育、性教育など、包括的な内容で構成しています。
こどもステーションのファシリテーターは、アウェアデートDV防止プログラム・ファシリテーター全国ネットワーク(通称:アウェアFネット)に加盟し、全国のなかまたちと共に、研鑽を重ねています。
こどもステーションまたは、アウェアFネットまでお問い合わせください。
Anak-anakプログラムを活用して、
小学生が理解しやすいようにアプローチを工夫しています
教職員向けプログラムや、PTA、SDG‘s研修などにも、DV啓発講座をお勧めします。
子どもたちのデートDVを未然に防ぐために、教職員や保護者がデートDVに気づくことは重要です。
目に見えにくい力と支配について、パートナーとの関係を客観的に見直してください
パートナーに暴力をふるう人たちの多くは、自分がDV加害者であるとは思っていません。
自分のしていることは単なる「夫婦喧嘩」だと思っている人がほとんどです。
「暴力をふるうのはお前のため・家族のため」「大したことはしていない」「俺を怒らせるお前が悪い」などと、本気で思っています。
そして、自分の暴力を正当化するために、暴力の後で優しくしたり、謝ったりすることがあります。
そのため、DV被害を受けていても気づかないことがあります。
暴力は家庭の中で起こっています。
家庭の中で、「力を使ってもいい」と判断した人に対してふるう暴力なので、被害者の周りにいる人も気づきにくいのです。
安心できるはずの家庭の中で、誰かがおびやかされ、傷つけられているDVは、子どもへの心理的虐待です。
直接暴力をふるわれることがなくても、子どもは心に大きなダメージを受けています。
脳の発達に大きな影響を及ぼし、発達障害のような成長発達を遂げる子どもも少なくありません。
被害を受けている親をかばおうとしてケガをする、“何もできない”と無力感を感じる、“自分のせいで暴力が起こっている”と罪悪感をいだく、加害者に殺意をおぼえるなど、様々な状態があらわれます。
また、被害を受けている親のストレスのはけ口や、ネグレクト状態になっていることもあります。
必死に“良い子”を演じ、大人の役割をすることもあります。
逆に、被害を受けている親を非難して、暴力をふるう親に同調しながら生き延びようとしたり、性的な犠牲を強いられながらも助けを求められずにいることもあります。
子どもたちは、家庭の安全を求めて静かな叫びをあげているのです。
その一方で、仲間へのいじめや暴言など、攻撃的な態度をとりやすくなることがあります。
不安から、学習に集中できず、不登校や引きこもりなど、自分の希望や夢を見いだせず、自暴自棄になって自傷行為や性産業に身を投じてしまうこともおこりやすくなっています。
DVの中で子どもたちは、自分を大切に感じることや、対等で尊重しあう人間関係を学ぶことができずに苦しんでいるのです。
どんな状況になっても、子どもには「回復する力」があります。その力を引き出すには、安全で、安心した、基本的な生活環境と、暴力をふるわない安心な親との強い絆が必要です。
そのためにはまず、親自身がサポートを受けて回復することが重要です。
など
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DVは、被害者が一人で背負うには重すぎる問題です。被害者が、加害するパートナーの心の支えになって言動を変えようとすることは困難で危険です。
しかし、被害を受けていても、被害の中にいる子どもたちも、暴力を乗り越えて生きていく力があります。自由に!希望を持ち!暮らしを楽しむ!権利があるのです。
もしかして、DV?・・・そう思ったとき、どうぞ気軽に相談してください。まずは電話をしてみてください。
相談予約電話
084-965-6625
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(内閣府)
メールやチャットでも相談できます
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全国の相談窓口が紹介されています